去る6月13日、突然かかってきた一本の電話。「もしもし、柴田です」ライオンの先生からだ。「あの件ですけどね、まさしさん、会ってくれるようですよ」「へ?本当ですか!」さだまさしに会えるのか!美しい日本語と一流ミュージシャンの腕と心地よいメロディが組み合わさった音楽を創る、あの人に会うなんて夢の夢だったというのに。
8月、東京は赤坂、某ホテルのレストラン、台風11号上陸中。さだまさしはインタビューの間中、にこやかな笑顔と溢れ出す言葉で私達を魅了した。「風に立つライオンという歌で僕は、アフリカを歌いたかったんですよ」彼の遠い目には、ケニアの広大な自然が浮かんでいたのであろうか。
果たして、さだまさしは学祭に来るのか?5月の段階で、柴田先生も私達も、ありえないお伽話としか考えられなかった。たかが宮崎の大学祭の小さな企画である。それ故に、これに関する予算も皆無というのが現況(一体どうなっているのだ。)しかしチャンスは今しかない。ライオン企画は、今年限りの一発屋なのだから。ということで、残りゼロにかける夢を、未だに私達は捨てきれないのだった。
「人脈はお金では買えませんものね。奇縁というんですかね、僕は皆さんに出会えたことに、感謝しとります」ぽつりと柴田先生がつぶやいたこの言葉を、私はきっと忘れないと思う。
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